平成20年 第6回公演
口上
日本舞踊「元禄花見踊」
本来この演目は春、桜満開の上野に元禄風俗を彩る様々な人々が集まり踊るというものですが、今回は、その元禄の音楽に合わせて歌舞伎の祖である出雲阿国と、その恋人名古屋山三(なごやさんざ)の恋模様を表現します。
また、出雲阿国の弟子達が出てきておなじみの音楽にあわせて華やかに総踊りをします。
日本舞踊「越後獅子」
新潟県西浦郡月潟村からでた獅子舞の大道芸は、江戸時代、踊りや軽業を見せながら、諸国を歩き、江戸でも親しまれ、角兵衛[かくべえ]または角兵衛獅子[かくべえしし]と呼ばれていました。
比較的短い演目ですが、短時間のなか、緩急ある踊りが多く含まれており、旅芸人の哀愁も感じさせてくれる演目です。
小さな獅子頭を頭にのせて能の『石橋』の振りごとを見せたり、肌脱ぎで手踊り、最後には一本下駄を履き、たすきがけで布晒しを振ります。
歌舞伎「京人形左彫」
彫りものの名人左甚五郎は女房のある身で、新吉原の小車太夫に恋わずらいをします。
かなわぬ恋を思い切るため、甚五郎は、一心こめて小車太夫の姿を彫り上げ、京人形をつくりあげました。
せめて小車の思い出にと人形を出して酒宴をするうち、木で作った人形が動き出します。
ところが甚五郎が自分の魂を入れてつくったため、美しい姿に似ず、男の動作をします。
驚いた甚五郎は小車太夫の鏡を人形の懐に入れると、たちまち生きた小車太夫のごとく色っぽくなり、甚五郎を口説きはじめます。
鏡を抜くと男、入れると女。
人形の愉快な動きに甚五郎はすっかり楽しくなり、人形にあわせて踊ります。
そして、疲れて寝てしまう甚五郎を見て、その隙に今までに甚五郎の作った人形が次々と登場し、踊りだすというコミカルでファンタスティックな狂言です。
本公演の映像をDVDまたはVHSにて、伝承友の会員様には、2,000円で販売しております。
詳しくは、事務局までお尋ねください。(電話079-667-2331)